黒豆柴の脳内会議

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【集金人の話】未成工事支出金とは?

建設業は、他の業界と異なる会計処理をしています。また、公共工事を請け負うため、K審により点数化、順位、格付されます。

完成工事基準を適用している建設業の特殊な未成工事支出金についての話です。

■ 未成工事支出金とは?

一般的に投資家は1年単位の業績を求めていますが、工事には長い時間がかかるため1年で業績を計算するのは難しいです。そのため建設業界では、「建設業会計」という経理方法を用いています。

とくに未成工事支出金とは、まだ完成していない工事にかかった費用や支出を計上します。未完成の工事を売上計上することは、誤った決算報告になります。売上として計上するわけにはいかない間の費用や支出を経費計上することも誤った決算報告になります。そのため、資産として計上して、次期へ繰り越すというウルトラCの会計処理をします。

(J難度)シモーン・バイルスのゆかの技「バイルス2」は、J難度です。後方抱え込み2回宙返り3回ひねり…

■ 粉飾チェック

未成工事支出金は、どんぶり勘定になりがちな科目です。建設業界ではK審の点数次第で受注ができるできないこともあるため、利益を多く見せるように在庫を多く計上したり、反対に利益を少なく見せるように在庫を少なく計上したりすることがあります。未成工事支出金という勘定科目を利用して粉飾をするケースもあるようです。実際にはみたことありませんが、過去に倒産した建設業の中には粉飾決算をしていた企業もあるのかもしれないです。

■ まとめ

曖昧な会計処理は、工事原価の把握を困難にします。工事が完成するまで利益を判断できない状況に陥いることのないように、正確な費用計上が大切です。与信判断も決算書と受注工事、工事の進捗管理をみる必要があります。

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費用、支出が資産計上になるのは、おもしろい勘定科目だと思う、黒豆柴でした。