妻「おい!メンデルの法則を説明してみるんだゾ!!!」ボク「突然やね…。 エンドウマメの皮の研究でメンデルが、”つるつる”を優性遺伝、 ”しわしわ”を劣性遺伝って法則にしたやつでしょ?」妻「残念!!!晩御飯抜きだゾ!!!」ボク「あれ?なんで?」
■ メンデルの法則
メンデルの法則は、遺伝学を誕生させるきっかけとなった法則であり、グレゴール・ヨハン・メンデルによって1865年に報告された。分離の法則、独立の法則、優性の法則の3つからなる。
※過去の説明です。現在の教科書には対応していません。
分離の法則染色体が減数分裂して対立遺伝子が2つに分かれることに対応しています。独立の法則異なる染色体が独立に振る舞うことに対応します。2組の対立遺伝子が異なる染色体上にあるときに成り立ちます。優性の法則両親から受け継いだ対立形質のうち、どちらか一方の形質のみが現れる現象です。(完全優性)しかし、完全な優劣が現れるのはむしろ例外的だと考えられています。
■ 2021年から遺伝用語が変った
「メンデルの遺伝の法則」に登場する「優性の法則」の用語である【優性】と【劣性】は、遺伝子の特徴の現れやすさを示しているだけです。しかし、漢字の持つイメージが、優性の形質の方が劣性の形質よりも“優れている”という誤解や偏見を生みかねないとして、近年は遺伝学会・生物学会を中心に【顕性/潜性】を使う動きが推し進められてきました。
2019年に基礎生物学委員会・総合生物学委員会の合同発表高等学校の生物教育における重要用語の選定についての中で【優性/劣性】は改訂重要語にリストアップされていました。
2019年の日本学術会議分科会遺伝の法則を示す用語【優性/劣性】について、高校生物の教育現場では【顕性/潜性】と言い換えるよう提案しました。
■ まとめ
2021年度に全ての教科書で【顕性/潜性】の用語が使われるようになりました。用語が初登場する中学3年生の教科書に加え、すでに高校の教科書も全て【顕性/潜性】に対応しています。ただし、【優性/劣性】でも誤りというわけではありません。
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若い世代との齟齬を避けるために【優性/劣性】ではなく、【顕性/潜性】として知識をアップデートする必要があると思う、黒豆柴でした。